研究メンバーからのメッセージをご紹介します。
研究代表者(岩手県代表) 八木淳子 児童精神科医,岩手医科大学いわてこどもケアセンター副センター長
震災後に出会った多くの人々とのつながりの中で、学びを深める機会をたくさんいただきました。震災直後から毎週欠かさず被災地での診療を続けてきた中で、様々な出会いがありました。お子さんたちの成長を見ることや、保護者のみなさんとのふれあいがなによりの喜びになっています。このコホート調査も、震災直後には赤ちゃんだった子どもたちの心身の成長を見守り、育ちをサポートする一助になれるよう、誠心誠意取り組んでいきたいと思っています。
分担研究者(宮城県代表) 福地 成 児童精神科医,みやぎ心のケアセンター企画研究部長
地域全体が回復するためには、『つながり』と『寄り添い』が大切であると日々感じています。その地域の一部である子どもたちは、さまざまな変化に対応しながらそだち続けています。本プロジェクトは私たちとご家族との大切な接点となり、それに関わる地域の人々との『つながり』を創りました。『つながり』を足がかりとして、お子さんとご家族の自然な回復を引き出せるような『寄り添い』を続けることができればと思っています。地域が回復する中で、本プロジェクトも私たち自身もそだつことができれば幸いです。
分担研究者(福島県代表) 桝屋二郎 児童精神科医,福島大学子どものメンタルヘルス支援事業推進室 / 東京医科大学茨城医療センター精神科科長
大震災から年月が経って様々な分野で支援が縮小してきている中ですが、現場で仕事をさせていただいていると心のサポートを必要としている子どもたちや御家族が、実はまだまだ多くいらっっしゃることを痛感します。多くの支援がまだ必要なのだということを行政や中央に訴えるためには、実態を解明するための調査は不可欠なのですが、今回の試みは単に調査をするだけではなく、子どもたちや御家族に寄り添いながら、必要な支援を可能な限り届けつつ一緒に歩んでいこうというものです。息の長い取り組みですが、参加していただいた子どもたちや御家族が「参加してよかった」と思っていただける取り組みにしていきたいと考えています。
分担研究者(統計解析担当)松浦直己 三重大学教育学部特別支援教育教授
災害の多い日本では、本研究のような直接的支援とリサーチが真に必要とされています。このような研究に携わることができることを嬉しく思うとともに、きちんとした研究成果を示すことの責任を感じています。研究メンバーとスタッフの使命感や連携は抜群です。今後10年以上にわたって調査研究を継続していく手応えを感じるとともに、地域や行政のご支援があって、本研究は成り立っていると思います。被災地のお子様や保護者の方々にはご負担をおかけしますが、どうぞご協力をお願いいたします。